小規模連のこれまで
障害者運動と障害福祉の発展
第二次世界大戦の戦後混乱期、戦傷者・孤児への緊急養護策としてわが国の障害福祉は本 格的にスタートしました。1947年「全日本聾唖連盟」が結成、その後「肢体不自由児」「視覚障害」「精神薄弱者(現、知的障害)などのさまざまな障害者および支援者団体が誕生し、障害者 の人権擁護、ノーマライゼーションを訴えてきました。これらの運動の結果として、多くの障害福祉の法整備が行なわれました。今では、当たり前になっていますが、障害者の教育を受ける権 利が得られたのは、養護学校義務化が達成された1979年です。
生まれた地域であたりまえに暮らすために
わが国の共同作業所の出発は、1969年の名古屋の「ゆたか共同作業所」です。当時、精神 薄弱児の養護学校の卒業期を迎えた親や教育者によって、卒後の活動の場、人間らしく地域で暮らすこと、働くことの実現にむけ多くのボランタリーな活動体として、共同作業所は全国に波及 していきました。北九州市でも、1970年代、親や支援者の思いから多くの共同作業所が誕生しました。共同作業所には、「障害者も"あたりまえ"に生まれた地域で暮らす」そんな思いの具現 化された社会資源であり、障害者運動の一翼を担ってきました。
北九州小規模作業所連絡協議会の誕生
北九州に共同作業所が誕生してから約15年が経過した平成16年4月に、北九州小規模作業 所連絡協議会が発足しました。それまでの15年の間に、さまざまな障害者福祉の整備が行われ、平成16年は、障害者グランドデザインが打ち出され障害者福祉体系が大きく変わろうとして いた時期でありました。「生まれた地域であたりまえに暮らす」という思いを共にする仲間が集い、手をとり、障害者の地域生活の多様なニーズや我々の思いや活動を発信することを目的に結成しました。
連絡協議会からNPO法人へ
連絡協議会発足後、平成18年の障害者自立支援法が施行に伴い、事業所移行のための支援活動、障害者福祉施策の提言などを行なってきました。協議会発足の約4年後平成20年5月に、NPO法人認証を得て、正式名称をNPO法人北九州小規模連と改めました。現在の会員は、共同作業所だけでなく、就労支援事業所、生活支援事業所など多岐に渡っていますが、その名称に「小規模」を残しました。小規模であること、それは、あたりまえの地域生活の象徴であり、我々の会発足の思いを表す言葉であると考えたからです。